児童ポルノ法とサブカルチャー
まず、日本で「児童ポルノ法」において定義されている「児童ポルノ」を確認したいと思う。
この法律において「児童ポルノ」とは、写真、絵、ビデオテープその他の物であって、次の各号のいずれかに該当するものをいう。
１、 性交等に係る児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写したもの
２、 衣服の全部又は一部を脱いだ児童の姿態であって性的好奇心をそそるものを視覚により認識することができる方法により描写したもの
３、 専ら児童の性器又は肛門を視覚により認識することができる方法により描写したもの（専ら医学その他の学術研究の用に供するものを除く。）
１と３についてはわかりやすいだろう。問題は２の項目である。「性的好奇心をそそるものを視覚により認識」という点に絞って考察する。これは私の基準で判断するならば、多々出回っているグラビアアイドルの写真集などはすべてこの対象になる。
欲情の対象となるものには胸や性器、臀部が一般的だろう。しかし唇や鎖骨、太腿などはどうだろうか。さらにはふくらはぎやくるぶし、手足の指など。これらの部位は写真集で多数用いられる水着ではもちろんのこと、日常生活においても人前に露呈することは少なくない。
また、日本人ならではの奥ゆかしさ、詫び寂びがある。話は逸れるが中秋の名月というものがある。ご存じのとおり９月の後半から１０月の初頭にある、月を眺めて月見団子を食べる日のことである。
この日は10年のうち９年は雨が降るといわれるほどその時期は天候が不安定であり、名月と言われるのもその所以である。“雨月”と言い、昔の人々は雨が降って月が隠れても、雲の上の名月を想像して月見を楽しんでいた。名月そのものを見るより、丸いものを見て名月そのものを想像することが風流とされ、実物より想像の方が何倍も大きく何倍も美しいことを経験から知っていたのだ。
そしてその昔からの知恵を用い、現代のものへと昇華させ、日本が世界に誇る文化が、アニメであり、ゲームであり、マンガである。こういった二次元のサブカルチャーに嫌悪感を持つ人は多数いるだろう。しかしそれでも、ルパン三世や、スタジオジブリなどに見られる技術力には一目置いているはずである。
さてここで、欲情の対象についての話の戻る。簡潔にいえば、「見えなくても性的好奇心をそそる」のである。スカートから覗く足の付け根にはどんな幻想郷があるのか。衣服に隠された胸部にはどんな果実が実っているのか。それを想像すればいかがわしい妄想へと発展するのは容易で、男性の悲しい性でもある。
ここまでで述べたかったのは、定義が非常にあいまいであるということである。児童ポルノという単語一つとっても、児童ポルノ、児童向けポルノ、子どもポルノなどなど、一見ではどこがどう違うのかわからない派生単語や、亜種が多数存在する。しかしこの前述のポルノはすべて別物である。
ポルノの定義をしていてはキリがないので、日本ユニセフ協会が推し進めている「なくそう！子どもポルノ」と題した署名活動について触れる。ちなみに、日本ユニセフ協会は国際連合児童基金（ユニセフ）とは協力関係にあるものの、別の団体である。
この件については児童ポルノと子どもポルノの区別が必要になる。そこで法律としての「児童ポルノ」ではなく「児童ポルノ」と「子どもポルノ」を対比した時のそれぞれの定義を示す。
児童ポルノ：現実の児童が性的虐待をうけた結果撮影された画像・動画
子どもポルノ：児童ポルノを含む。それに加え、アニメやマンガ、ゲーム、小説や音声など、現実の児童が存在しない架空の創作アダルト作品。および１８歳以上の成年がセーラー服などの児童のような服装をしたアダルト作品すべて、１８歳以上と年齢が確認できないアダルト作品。
この定義では、児童ポルノは根絶しなければならない。被害者が存在するうえに、虐待を許すわけにはいかない。だが子どもポルノはどうだろう。創作作品にまで規制の手を伸ばしていいものだろうか。現にアメリカでは創作作品も規制した結果「表現の自由」に反し、違憲となっている。
日本ユニセフ協会は児童ポルノではなく、子どもポルノの根絶を目指している。ところがその理由には「先進国の多くが」「児童ポルノ大国 日本」「日本の野放し政策のせいで児童犯罪が世界中で起こっている」といった嘘を繰り返し述べている。
国連による児童の権利条約によれば児童を１８歳未満とし、「児童を戦争に使うな」「人身売買をするな」という二つの項目が主題となっている。また、児童ポルノの所持が犯罪にならない国は１３８カ国にのぼり、オランダやドイツ、スイスのように１６歳で売春が合法の国さえあるのだ。
そもそも日本は性犯罪率が先進国の中でも飛びぬけて低いのだ。世界中で最もアニメやマンガ、ゲームがあふれている日本がなぜこれほどまでに児童性犯罪が少ないのだろうか。私はこうしたサブカルチャーの発達が性犯罪の抑止力になっているのではないかと考える。自分の理想の少女が画面のすぐ向こう側、手を伸ばせば届くような距離にいるのだから、少女を襲うというのは愚かな行為である。
最後に、世界中の空想現実を問わず少女を愛する人々に愛を込めて、次の言葉を贈りたいと思う。『ロリコンなら、子どもを守れ』
参考資料：同人用語の基礎知識
http://www.paradisearmy.com/doujin/
風呂敷を広げすぎたので無理やりまとめた
